誰にでもどんな形であれ経験する、青くて淡い「青春」。
今回は読んだ後にノスタルジックな気分になるような、青春小説を紹介します。
夜は短し歩けよ乙女 森見 登美彦
関西の大学に通う「私」は、後輩の黒髪の乙女に恋をする。
彼は彼女の気を引くために何度も偶然を装ってアプローチをするが、彼女は天然で全く気づかない。
お金持ちの爺さん李白、自らを天狗と名乗る樋口清太郎、多彩な美青年である学園祭の事務局長…
様々な個性的なキャラクターに囲まれて、彼らのロマンスは発展していく。
コメディチックに描かれたこの作品。
ほのぼのと進む展開と綺麗なエンディングに、あなたは読んだ後きっと作者のファンになっているはず。
キャッチャー・イン・ザ・トイレット! 伊瀬 勝良
人との関わりを嫌う黒沢翔には、放課後の第二校舎の女子トイレで自慰をするという歪んだ性癖を持っていた。ある事件をきっかけに、自分と同じ自己主張が苦手ないじめられっ子の少女・北原綾にその秘密を握られ、取引と言う名の脅しを持ちかけられる。
あらすじだけ見るといやらしい話に見えますが、「淡い初恋」「人とのつながり」など青春要素が存分に扱われたこの作品。
「オナニーマスター黒沢」というよりいかがわしいタイトルで、ニコニコ静画に横田卓馬氏による漫画版が掲載されています。
夜のピクニック 恩田 陸
北高の伝統の学校行事である「歩行祭」。
生徒全員が高校生活の最後に80km、丸一日を通して歩くという過酷なイベント。
貴子は三年間胸にしまってきた思いを清算するためという気持ちを抱いて歩行祭に挑んでいきます。
2006年には多部未華子を主演に映画化もされたこの小説。
ただ「歩く」ということがこんなにかけがいのないことだったとは、と読書後ふと思い耽けてしまいます。
-あとがき-
いかがでしたでしょうか?
誰もがいろんな思いを抱きながら過ごしている、または既に経験した学生時代。
その青春の美しさ、その大切をこれらの本は思い出させてくれるはずです。
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