小技が光る!美麗ペイントテクニック!!(Photoshop):Making of Kantoku Illustration[カントク]

STEP1: Hair 髪の毛を塗る

001STEP1髪の毛を塗る

▽まず基礎塗りから始めます。

002気を塗りから始めます
線はマウスで選択していくのですか?

はい、僕は多角形選択ツールをつかいます。
選択して塗りつぶしや消去する工程が基本です。

線画は一番上に半透明表示していますので、できるだけ線の外側を意識して選択していきます。

003線画は一番上に

真ん中を選択してしまうと
線が中途半端に濃くなってしまうので、出来るだけ外側に線を引いて、
線全体に色をつけていきます。

004線画中途半端

沢山クリックすれば、それだけ滑らかな曲線になります。

僕と同じようにマウスで塗る場合、多角形選択ツールよりパスの方が綺麗です。

僕は多角形選択ツールに慣れてしまっただけなので最初からパスで慣れる方が良いかもしれません。

マウスで作業出来るのはやはり慣れですか?

そうですね、でもまだ今日は全然早くクリックできていないんですよ

場所に関わらず(※編集部で作業しています)
調子が出るまで時間がかかりますね。

直線ツールで円も描けてしまったりするのですか?

(正確な円は)さすがに無理です(笑)

出来るのは、ペンと同程度の事までですね。

▽髪の基礎塗りが終わった段階です。

005髪の基礎塗りが終わった段階

僕の制作方法は、各パーツの影やハイライト等全て完成させながら進めていきます。今から次の影付けに進みます。

影の色は、髪の毛をオレンジっぽくしようと思うので赤系から選択します。

006影の色は、髪の毛をオレンジっぽくしよう

僕の場合、大きく2枚のレイヤーで影を作ります。
先ほどの基礎塗りのレイヤーにグループ化して、その範囲外に塗られないようにします。
そして基礎塗り同様に多角形選択ツールで塗り潰していきます。

007その範囲外に塗られないように

影付けの際も、色を半透明にして塗ります。

レイヤー設定で影の不透明度を50%にする事で、基礎塗りに馴染むようになります。

009影の不透明度を50パーセントにする

因みに今塗っている部分が「影1」になります。

010影1
一番濃い部分ですね?

はい、髪の毛の裏側だったり重なっている部分のすぐ下の辺りですね。
髪の毛束のニュアンスなどは次の「影2」で付けていきます。

▽影1の塗り終わった段階です。

011影1終わり

ここから、影の境界を濃くするために部分的に抜いていく作業に入ります。

部分的に抜くというのは?

まず、このように範囲を選択して消しゴムツールに切り替えます

012消しゴムツール

そして、選択範囲の上で弱めに消しゴムをかけていきます。
するとこのように、境界だけが強くなって残ります。

013境界だけが強くなって残る

▽影1の処理が全て終わりました。

014影1処理完成

消しゴムツールで薄い部分を抜いてあるので、1枚のレイヤーで濃淡を保ったまま不透明度など色の調整ができます。

▽続いて影2の処理に移ります。

016影2の処理
影2はどんな処理ですか?

影2では先ほどの影1に加えて髪の束や奥行きなど、立体感や距離感の強弱を更に入れていきます。

017影2はどんな処理

▽影1同様に選択して塗っていきます。

018影1同様に選択塗り

影2でも境界強調をするために一部に薄く消しゴムをかけます。
これも同じように、まず消しゴムツールをかけます。

019影2でも境界強調

更に馴染ませるために今度は指先ツールを使います。
このように、境界部分をほんのりと伸ばしていきます。

020ほんのり伸ばす

▽影2の処理が全て終わりました。

021影2処理完了

影の処理はこれで全部になります。

影はいつも2段階ですか?

そうですね。よほど手の込んだ場合でない限り、影2までが多いです。

▽続いて影全体の仕上げ処理をします。

022影全体の仕上げ処理

まず髪の毛のレイヤーを全て選択してマスクを作り、真っ黒に塗りつぶします。

023真っ黒に

次にこのレイヤー設定を「覆い焼きカラー」に変更します

024覆い焼きカラー

そして、ぼかしたブラシツールで影でない所を中心に白く塗っていきます。

025白く塗る
なるほど、明るくなりましたね。

白だけでなく、色に変化をもたせる事によって影の境界線付近に変化を与えます。
これに、色を少し混ぜてさらに彩度と明度を調整します。

026色を少し混ぜる

調整が終わったら、今度は影1のみを選択します。
ムラサキ辺りの凄く濃い色を選び、

028ムラサキ選択

髪の毛の裏面の濃くしたい辺りを強めに落としていきます。

029表面を濃くする

これも半透明レイヤーなので、後から数値をいじる事で調整が出来ます。

▽さらに照り返しの表現を入れていきます。

030照り返し

薄めの青色を選び、髪の毛の下部に入れていきます。

032髪の毛下部に

本来これは屋内で起こる現象ではないのですが、雰囲気を出すために採用しています。

▽髪全体にハイライトを入れていきます。

033髪全体にハイライト

これも覆い焼きレイヤーで、ハイライトの形を、多角形選択ツールで選択していき、塗りつぶします。

034覆い焼きでハイライト 035塗りつぶす

途中で気に入らない部分があれば変形ツールで直していきます。

036変形ツールでなおす

全部塗り終わったら、白で塗った部分を調整します。
これも覆い焼きにする事で彩度を残しつつ明度を下げて明るさを抑えていきます。

037白で塗った部分を調整

それに加え、大きめのブラシでハイライトの周りを塗ります。
これも明度を調整します。

038ハイライトの周りを塗る

もう一つ、最近流行の表現として肌に近い部分に肌色を入れていきます。
これにより髪の毛に透明感が出ます。

039肌色を入れる

▽これで髪の毛が完成です。

040髪の毛完成

STEP2: Eyes 瞳の処理

041STEP2瞳の処理

▽次は目の処理です。

042次は目の処理

髪同様に「基礎塗り」→「影1」→「境界強調」→「影2」→「境界強調」と作業を進めます。

瞳孔は楕円ツールで描き、変形ツールを使って位置や向きなどを調整していきます。

043楕円ツールで描く

▽髪と同様に処理を加えていきます。

044髪同様に処理

髪と同じように、2枚のレイヤーで黒を落とし境界の強調も同様に入れます。

045黒を落とす 046黒を落とす

▽虹彩の処理をしていきます。

047虹彩の処理

まぶたの部分にも境界強調を入れ線画のように処理します。

048まぶたの部分

▽瞳にハイライトを入れます。

049瞳にハイライト

顔が向かって右に傾き、光源が上なので、瞳の左側にハイライトを入れていきます。
入れたハイライトの周りを黒で塗っていきます。
こうすることで、一番大きいハイライトだけ少し強めに見せます。

050大きいハイライトだけ周りを黒く

▽瞳が両目とも完成です。

051瞳完成

STEP3: Skin 肌の処理

052STEP3肌の処理

▽肌も髪と同様に基礎塗り、影入れをします

053肌も髪と同様

影まで入れたら、全体に覆い焼きレイヤーで光らせます。

054覆い焼きレイヤーで光らせる

さらに赤みと照りを加え、周りを覆い焼きで白く塗ります。

055覆い焼きで白く
それは顔にも入れていくんですか?

そうですね、顔の輪郭にも入れます。
頂点のハイライトも覆い焼きです。あとは口紅などですね。

口紅はどのように処理をするんですか?

まず、柔らかめのブラシでピンク色を塗ります。
リップを塗るように重ねていき真ん中を少し強くします。

056リップを塗るように

それをまたレイヤー不透明度で調整していきます。
そして全体を覆い焼きで囲ってブラシでほのかにテカリをいれます。

057テカリを入れる 058テカリを入れる

▽同じ要領で小物、服と塗っていきます。

059小物と服も同様に

STEP4: Check skirt スカートのチェック処理

060STEP4スカートのチェック処理

▽まずおおまかな横のラインを描きます。

061横のラインを描く

今回は灰色にピンクチェックが入ったスカートにしたいと思います。
最初に多角形選択ツールでピンクの原稿を入れます。レイヤーは半透明です。

062ピンクチェックに

▽横が終わったら、次に縦のラインです。

063次は縦のライン

チェックはある程度完成図を想像してスカートを描かないと、後で自分の首を絞める事になります。

縦と横のラインが入ったらまず縦を選択し[CTRL]+[ALT]+[SHIFT](MACの場合[COMMAND]+[ALT]+[SHIFT])で横のレイヤーを選択します。

これで重なり部分が選択されますので、この部分の色を少し濃くします。

064重なりを濃く

▽これに装飾のラインを加えていきます。

065ラインを加える

基本は同じで、半透明で縦と横の縞を塗り重なっている部分を後で強くします。

本当に骨の折れる作業ですね…

はい、これを苦痛と思うかどうかでチェック柄作業の大変さがわかれますね。

細めの線を、今度はペンツールで追加します。

066ペンツールで追加
線を引くツールは絵によって変えているんですか?

そうですね。同じラインでも、ケースによって変わることがあります。

▽横縞縦縞の装飾が入りました。

067装飾完了

ここでも最初と同じように重なる部分を濃くする処理をします。
さらに、アクセントの白線を入れます。

069アクセントに白線

白で引いた線を不透明度50%にして、これにレイヤー効果で薄く黒い境界線を加えます。

ここでも重なり部分には濃い色の強調をしておきます。
最後に外側へもう1本ずつ白を入れます。

071重なりを濃く

▽これでスカートのチェック柄が完成です。

072チェック柄完成

今度はスカートに影を落としていきます。

上から光が当たると、この辺りが光って、

073この辺りが光って

ここが影になるんですが、

074ここが影

奥に行く程プリーツが畳まれていくので、その部分の影も表現します。

075プリーツの影

▽まず落ち影から処理をしていきます。

076落影処理

黒く塗った後、不透明度を落として指先ツールで伸ばしていきます。

077指先ツールで伸ばす

この辺りはプリーツの落ち影が強く出ますが

078プリーツの落影が強く

下の方は逆に面の影が強くなるので、もう1枚影のレイヤーを作ります。
全て選択し終えるとこのような範囲ですね。

079全て選択し終わると

この範囲を、弱めのブラシでスーッと塗っていきます。

080弱めのブラシ

全て終えたら、これまで同様にスカート全体の覆い焼き処理を行います。

▽スカートの完成です。

081スカートの完成

▽ソックスも仕上げていきます。

082ソックスも仕上げる

影1、影2と落とし、表面に黄色の覆い焼き、裏に水色の照り返しを入れます。

083水色の照り返し

さらに外側と真ん中を光らせる覆い焼きを入れて完成です。

084覆い焼きを入れて完成

▽続いてクッションなどの小物を処理します。

085小物処理

背中のクッションには、通常の影に加えて白い服の照り返しなども入れています。

086白い服の照り返し

▽小物類も含めて全ての塗りが完成しました。

087全ての塗りが完成
このあと全体に処理したりするんですか?

はい、少しですがいれていきます

STEP5: Finish 仕上げの処理

STEP5仕上げの処理

▽最後に、絵全体のマスク処理をします。

089最後に絵全体のマスク処理

まず、全てのオブジェクトのレイヤーを加算選択します。
この選択範囲で黒く塗りつぶしたマスクレイヤーを制作します。

090マスクレイヤーを制作

そして、マスクレイヤーの設定を「オーバーレイ」にします。
オーバーレイで、絵の濃さを調整します。ここでは20%くらいにしてあります。

091オーバーレイ比較

▽マスクレイヤーを複製し、境界線を引きます。

092マスクレイヤー複製

今まわりが赤くなっている部分が境界線です。

093赤い境界線

これで、全体の外側にレイヤー効果を使って境界線を簡単に引くことが出来ます。

094外側に線

背景色を入れ、トリミング範囲を指定して…

完成!!

095完成!
この作品は台湾にて発売の雑誌「Frontier」の表紙用にカントク先生が描いた作品を使って作品工程を取材させていただきました動画となっております。
096END

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動画投稿者様

gilank44

© Kantoku

convert from 720p to 480p.. because the original size is more than 1GB.. lol

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icon-quote-left 引用元:https://www.youtube.com/watch?v=BDYPFuSfqKw  icon-quote-right

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