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美少女が書きたい!生かす描写と捨てる描写とは?

その美しさを伝えたい

物語(特にライトノベル)を書く際、やはりヒロインは「美少女」であることが多いようです。
やはり「平凡な僕(もしくはヘタレな僕)が美少女と恋に落ちたら」という設定は、書き手も読み手もワクワクするものですからね。

難しいのは、その美少女の描写です。

「腰まである黒髪ストレートで、目はパッチリ大きくて、睫毛が長くて、鼻筋が通っていて、お肌ツヤツヤ、唇はピンク、スタイルがよくて、制服はブレザーとチェックのミニスカ、紺のニーハイとローファーで……」

確かにイメージは伝わりますが、ここまで細かく書くと、ちょっと鬱陶しいです。
では、読み手に対し、ヒロインが「美少女」であることをどのように伝えたらいいのでしょうか。

その説明っているの?

たまにネット小説を見ていると、ヒロインの美しさをリスト化して公開している作品に出会います。
しかし、年齢や大まかな身体的特徴だけならともかく、身体測定ばりの身長や体重、お気に入りのブランドやファッション、物語に関係ないモテエピソードetc.……を頭に叩き込む読み手って、いったいどれだけいるのでしょうか。

書き手が必死で作った設定も、読み手にとっては無用の長物。

もちろん細かい美少女設定を作ることは悪いことではないのですが、
書き手の胸に留めておいた方がいい場合もあるのです。

脳内では既に美少女

空想する力というのは不思議なもので、物語にヒロインらしき少女が出てくると、
よほど「不細工」とでも書かれていない限り、平均より少し上のルックスを想像してしまうのだそうです。

つまり、細かい描写などしなくても、読み手の脳内では既に美少女寄りなんですね。

白雪姫を例にあげてみましょう。
作中に書いてあるのは、「雪のように白い肌、血のように赤い唇、黒檀のように黒い髪」。
ルックスについての記述は、ほぼこれだけです。

身長や体重、体型については何一つ触れられていませんが、
しかし、読み手の脳内には、美少女寄りの白雪姫像が出来上がっているはずです。

そして読み進めるうちに、魔法の鏡が白雪姫の美しさを認め、
義母の王妃がそれにキレたことで、読み手は「白雪姫は普通の美少女ではない」ということに気付きます。

その結果、「白・赤・黒」という情報しかないにもかかわらず、
読み手の脳内には「完全無欠の美少女・白雪姫」の具体的な姿が完成します。

では、どうしてそれが可能なのでしょうか。

理由は簡単。
美少女の基準が、人それぞれ違うからです。

つまり、書き手が設定した「白・赤・黒」以外の部分を、読み手の空想に任せることで、
読み手の基準に合った「完全無欠の美少女」を脳内に創り出すことが出来るのです。

美少女を描写する上で大切なのは、細かい設定を書くことではなく、
読み手の好みを投影できる「余白」を作っておくことなのです。

まとめ

読み手にも好みがあるように、書き手にだって好みがあります。

絶対に譲れない部分は、きちんと描写しましょう。

この記事を書いた人

ミユキ
田舎暮らしの遅筆なライター。
生活環境のせいか、比較的レトロジャンルが得意(な気がしている)。
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