普段興味がなくても楽しめる! 人の死なない日常のミステリー小説三選

ミステリーのジャンルには、人の死なない日常のミステリーというものがあります。
ここでは、そういったミステリーを紹介していきます。

チルドレン

一冊目は伊坂幸太郎著のチルドレンです。
本作品は陣内というユニークな男の周りで展開される日常の謎を追う連作短編となっています。
破天荒で、既存の価値観をひっくり返すパンクロックのような考え方をする陣内の周りには、「時が止まる場所」や「消えた銀行強盗」など不可思議な謎で溢れています。

銀行強盗はどこへ消えたのか。
なぜこの場所は時が止まっているのか。
そういった謎を解くために時折登場する永瀬という物腰柔らかな男も非常に魅力的です。
彼は盲目でありながら、他の人より多くの物事を見ています。
そして毎度明かされる意外な結末に膝を打つことと思います。

ステップファザー・ステップ

二冊目は、宮部みゆき著のステップファザー・ステップです。
この小説は、泥棒で生計を立てている男が、犯行に失敗するところからはじまります。
目的の家に隣家の屋根から忍び込もうと考えていた泥棒は、豪雨と落雷によって、屋根から落下してしまいます。
目を覚ますとそこには中学生の双子がいて、どういうわけか彼らに自分たちの父親になってほしいと頼まれ、物語は展開していきます。
本書は、ミステリーの魅力に加え、ハートフルな人間ドラマにも大きな魅力があります。
お人好しの泥棒と変わった双子が織りなすユーモアたっぷりの筆致で描かれた本作は、ライトミステリーの傑作となっています。

氷菓

最後に紹介するのは米澤穂信著の氷菓です。
この小説はとある高校の古典部で展開される青春ミステリーとなっています。
やらなくてもいいことはやらない省エネ主人公の折木は、姉の勧めで古典部に入部します。
その古典部には、好奇心旺盛な同級生千反田えるがいて、彼女が折木に様々な謎を持ち込んできます。
本作は、ライトノベルの賞を受賞したこともあり、非常に読みやすく普段読書をされていない方にもおすすめできる一作となっています。
日常のミステリーとして優れていることはもちろんですが、青春小説としても完成度が高いので、普段ミステリーを読まない方にも一読して貰いたい一作です。

まとめ

人の死なないミステリーは、盛り上がりにかけるのではないかという方もいるかもしれません。
しかし、そこは作者の腕次第、作品次第だと思います。
上述した三作は、ミステリーにあまり興味のない人、日常の謎に興味がない人に手にとってもらいたい作品となっています。
是非一読してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

1031koshiki
フラフラしてる二十代。小説出版に向けて編集者と連絡を取っているけれどもまだまだ先は全く見えない

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