知らないと書けない?
描写が上手い人って本当にすごいですよね。
ただの文字の羅列を読むだけで、カラフルで鮮明な情景が浮かんでくるんですから。
あんな描写が出来るようになりたい! そう思ってもう何年経ったことでしょう……。
けれど描写が上手いというのは、つまりどういうことなのでしょうか。
一つは言葉のリズム、一つは言い回しの巧さ(=語彙力)だと思っています。
リズムというのは何となく想像出来ると思いますが、文章を書き終えたあと、心の中でも声に出してもどっちでもいいので一度発音してみてください。
声にすると中々面白いもので、発音するだけで書いていたときにはわからなかった違和感が発見できたりします。
そして、言い回しの巧さとは絵のデッサンと一緒で一種のトレーニングであると思っています。
それにはまず、色んな表現を知ることが大切です。
例えばプロの本を読み、多彩な表現方法を学ぶこともかなり役立ちます。
けれど、確かにプロの本を読むことも重要ですが、何よりなにかを作る人こそ色んな所へ行って、色んな体験してみるべきだと思います。
例えば夏の朝焼けの空気の匂いは? 肌で感じる熱はどのくらい?
冬、新雪を踏みしめた感触は? 走ったときの肌を撫でる風の強さは?
体験しないと、書けないのです。
知識を齧っていたとしても、そこにリアリティはありません。
自分が体験したときに思ったこと、感じたことにはリアリティがあります。
リアリティはきっと、描写する上で役に立ってくれますし説得力が生まれます。
何もない人からは何も生まれません。
様々な体験をしてみること。たくさんのものを見てみること。常にアンテナを立てておくこと。
それが重要なのではないでしょうか。
トライ&エラー! 描写の練習をしてみよう!
また、普段生活しているとき、ちょっと暇だなあと思ったら頭の中で描写を書きだしてみましょう。これがかなり良い練習になるのです。
実際に一例を出してみます。
昼間、晴れた日の空を見たとします、雲が点々と浮かんでいます。
それをただ文章にすると「青い空に雲がぽつりぽつりと浮かんでいた」。こうなりますね。
悪くはありませんし、普通だからこそ美しさの映える表現ではあります。
けれど、言ってしまえば単純な文章ですよね。
表現に幅をを持たせるため、暗喩や直喩を用いて表現を変えてみましょう。
「無造作に千切られた綿が水で薄めた青色絵具の上に散らばっていた」。
青い空→水で薄めた青色絵具
雲→綿
こう表現することで表現に幅が出た気がしませんか?
ただ、これは暗喩を同じ文章中で2つ使っているのでとてもくどいです。
そのため、どちらか一つを使うと良い感じになると思います。
「青い空には無造作に千切られた綿が散らばっていた」。
このようにするとちょうどいいかもしれませんね。
また、同じ意味の文章をいくつもの表現で作ってみるとかなり良い練習になります。
色々書いているうちに、こっちの表現の方がいいかな、とかが何となくわかってきます。
何事もトライ&エラーなのです。
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