セット絵の統一感を調整したい時

ゲームの素材など、数の多いセット物の絵は統一感が命です。
線画と塗り以外で統一感を加減にして補強できる方法といえば、なんといってもテクスチャーです。
星の数ほどあるテクスチャーの中でも、こんなときのおすすめは古紙系テクスチャー。
古紙系テクスチャー

癖が強い、使いどころがピーキーすぎる、そんな印象を持たれがちな古紙系テクスチャー。
羊皮紙、和紙、古書紙など種類はあれど、どれもなにやら目立ちすぎる皺があったり、デザイン上で生かせない焦げ跡や破れがあったりします。
使いやすそうな部分を使おう

簡単なのは、大きな一枚のテクスチャーを選んで、そこから適当に使いやすそうな面を切り取って利用することです。
野菜だって食べられない部分は切って捨てます。
使いづらそうな部分は均(なら)そう

レイヤーの透明度を70%から90%程度まで下げます。
100%のままで使うのは素材そのものを全面に押し出したいときです。
ところでこの時、かっこいい糸くずなどがテクスチャーに紛れ込んでいると、一目惚れして糸くずに合わせ絵を調整してしまうことがありますが、これは危険な恋です。
一枚で完結するデザインならまだしも、複数の絵に統一感を出したいときは、目立ちすぎる個性は指先ツールなどでならしてしまいましょう。
野菜だってみじん切りやペーストにしたほうが使いやすいことは多いですね。
線画レイヤー、着色レイヤーとは別に
テクスチャーのレイヤーは線画レイヤー、着色レイヤーとは分けたほうが無難です。
テクスチャーのレイヤーに線を描いたり色を乗せたりする作業を続けると、せっかく用意した同じ一枚の紙から切り出した古紙テクスチャーの原型が無くなっていき、統一感を付与する目的が阻害される危険があります。
完成!

サンプルの素材セットのできあがりです。
何故かめくるめく2000年代和製ファンタジーテイストです。
初めて遊んだコンピューターゲームは伝説のオウガバトル:March of the Black Queenだったかもしれませんね?
効果を分かりやすくするため、それぞれの原画は実はどれも違う大きさで、違う時期、違う紙に、違うペンで描いた落書きから起こしてみました。
費用対効果なりの自然な統一感は出ているでしょうか?
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