「日本にも蒸気機関はあります」
スチームパンクと言えば、産業革命期を背景にしたレトロフィットなSFですが、日本にも産業革命期がありました。
明治時代です。
直球なビクトリアンテイストのスチームパンクもいいですが、この重工業が大きく発展した時代の日本に目を向けて、「和風スチームパンク」というのはいかがでしょうか。
「ここにしかない和洋折衷の世界」
明治時代は、巨大な城下町「江戸」を、近代的な街「東京(※)」に大改造する時代でもありました(※トウケイと読んだり、京を亰とする場合もありました)。
鉄道が開通したことによって蒸気機関車が街を走り、銀座には煉瓦街やガス燈が現れ、浅草には地上十二階の高層ビル・凌雲閣や観覧車が登場しました。
また、廃藩置県後に制定された華族令により、公・侯・伯・子・男の五つの爵位が生まれました。
ジョサイア・コンドルによる鹿鳴館も有名ですね。
大衆文化もユニークで、フルカラーゴシップ紙の「錦絵新聞」(写真ではなく浮世絵が使われていました)や、ビフテキ(牛ステーキ)やシチウ(シチュー)を屋台で食べさせる「一品洋食売りの露天商」などが登場しました(立ち食いでもナイフやフォークが出てきたそうです)。
どんどん西洋化を遂げていく明治時代ですが、だからといって、日本独自の文化を失った訳ではありません。
むしろ、もともとあった日本の文化と西洋の文化を融合させ、新しい「和洋折衷文化」を生み出していったのです。
そして、その名のとおり、「和洋折衷文化」は日本にしかない文化と言っても過言ではないのです。
まとめ
文化と文化を融合させることで、新しいものを生み出してきた明治時代。
現代に生きる作者が、更にユニークなアイデアを加えることで、オリジナリティー溢れる「和風スチームパンク」の世界を創り出すことが出来るでしょう。
この記事を書いた人

生活環境のせいか、比較的レトロジャンルが得意(な気がしている)。