SNSで共感し、拡散され続ける新しい漫画のカタチ
あたまゆるゆるインターネット「オモコロ」に掲載され反響を呼んだ『独身OLのすべて』。
それが、講談社のモーニング公式サイト「モアイ」でWEB連載化された。
アラサ―女子を中心とした読者に熱狂的な支持を得るようになる。
特出すべき点は、SNSによって指示され、人気が広がっている点だろう。
けして一般社会には普及していない、「モアイ」というサイトで、圧倒的なTwitter拡散率を誇っている。
すべての独身OLに捧ぐ鎮魂歌。幸せな人は見ないでください。
ノブ子、タマ子、マユ子の独身OL3人組がおりなす物語。
いつも3人一緒にいるようだけれども、実は友情はないような。。。。
あわよくば出し抜いてやろう感が満載。
いわゆる「リア充」や「サブカル系」女子の行動を揶揄し、時に激しく罵倒し、糾弾するのこの漫画の真骨頂だ。
90年代のJ-POPの歌詞引用や、今の30代が少年少女だったころの大人気漫画・アニメのパロディネタが多く、『ジョジョ(第三部)』ネタ成分はやや強めで、個人的には最高に面白いシーンの一つ。
彼女たちは100%正義・正論を振りかざす存在ではないが、共感率は100%だ!
主人公の3人は「人間」ではなく、顔がリンゴだったり、頭が半分禿げ上がったり、謎のクリーチャーだったりと、一般社会の異物として描かれる。
一方で、彼女たちに罵倒される「リア充」たちは、可愛い普通の人間として描かれている。そこに作者の巧みさが光る。
もし、本物のアラサー女子として主人公が描かれていたら、ここまで共感は得られなかったかもしれない。
なぜなら、主人公たちの魂の叫びが、自分ではない「誰か」の言葉として映ってしまうからだ。
まあ、もし自分の職場にいる「独身OL」が、主人公たちのような存在だったら、自分も「異物」として扱うことは言うまでもないだろう。
この記事を書いた人

1979年生まれ。スタンド名は「イエロートラッシュオーケストラ(五月蝿い日本人)」。職業:フリーランス 兼 はやく息子の第一のチ◯毛を抜いて神棚に飾りたいと願うやさしい2児のパパ。神奈川県川崎市在住。