派遣OL、ヌードモデル、ホステス……様々な職に就き、日々を暮らす。
彼氏はいても、決して「本命」になることはない崖っぷちの24歳。
家では全裸のフリーター、これが江古田ちゃんだ。
ブラックなあるあるからのカタルシス
男子の心を掴んでやまないモテ女子「猛禽」を天敵とし、都会をさすらう江古田ちゃん。
報われないクールな友人M、派遣先の巨乳コンプレックスのキャリアウーマン、SM嬢のラミーちゃん――江古田ちゃんの目線を通して描かれる女性の登場人物はどこまでもリアルだ。
しかし、描かれているのはほんわりする「あるある」ではなく、なかなかむごたらしい、ブラックな「あるある」だ。
そこには「よくぞ言ってくれた!」というカタルシスがある。
酷い男性陣と俗世を達観した江古田ちゃん
一方、江古田ちゃんの目線を通して描かれる男性陣は総じてむごい存在として描かれている。
いつまでも江古田ちゃんを本命にしないマー君、江古田ちゃんに愛を注ぐことで自己満足する「信者くん」、やたらと日本を蔑むサム――この作品に登場する女子を通して描かれるのが「あるある」だとするなら、彼らを通して描かれるのは「ねーよ!」といったところだろうか。
彼らのエピソードはむごいものばかりだ。
そして、そんな彼らと関係を絶てない江古田ちゃんになぜか共感してしまう。
あらゆる戦場を乗り越え、俗世を達観した江古田ちゃん。
そんな彼女の生活を垣間見て「こうはならないようにしよう」という教訓と「ここまで達観できないだろ・・・」という畏怖(?)の念を感じてしまう作品だ。
読めば口角が上がること、間違いない。
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