実は現実にあった事件を元にした、、「マリーロジェの謎」:エドガー・アラン・ポー

意外と知られていないのですが、ポオが発表した「推理小説」は三作あります。
そしてこのマリーロジェの謎〔迷宮事件や怪事件と言う訳も〕は、まぁ、推理小説としては非常にコメントに困る作品です。

あらすじ

前回のモルグ街の殺人から二年後、元々の変人ぶりに拍車をかけて二人してパリで世捨て人同然の生活をしていた。
とは言っても、前回の活躍が警察の中で知られており、時折難事件の相談を持ち込まれる身分になっていた。
そんなある日、パリの警視総監Gが当時世間を騒がせていた難事件「マリーロジェの失踪」を持ち込んできて、、。

書評

あらすじだけ見ると「探偵に持ち込まれる難事件」と言うありがちな展開なのですが、推理の方法が一風変わっており、警察の資料と各社の新聞をかき集め、新聞の論評の矛盾点をしてきしそこから犯人を導き出すと言うもので、ひたすら推理と理論構築が続きます。

話の中で動きというものが全くなく、論文やエッセイの類かと間違えるほど長い推論の末に犯人を導き出して終了、と言うもので私などは探偵の謎解きなど理論構築を聞いて楽しむので結構面白いと思うのですが探偵が犯人を探し出すという「エンタメ」を期待するのであれば、うーんと言うなかなかコメントに困る作品です。

なぜこの様な一風変わった作品になっているのかと言うと、実はこの作品は現実に有った事件をそのまま小説に持ってきた物で、ポオはデュパンの口を借りて現実で大きな話題となった迷宮事件の推理を行っているからなのです。
なので所々で逃げを臭わせている文章があったりするわけです。

こういった経緯を知っておくと、なるほど、と頷ける所も出てくるとは思いますが、知らずにミステリーとしてよむと駄作扱いされてしまうと言うわけで、個人的には好きな作品なのですが、まぁ、長い作品でもありませんし無料公開もされているので、一度読んでみて自分で賛否を考えて見てください。位のコメントしかできません。

理性と夢幻、不安と狂気が綾なすポーの世界を、流麗な丸谷才一訳で再現。代表的傑作「モルグ街の殺人」「黄金虫」「黒猫」「アシャー館の崩壊」「マリーロジェの謎」など八篇を収録。
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この記事を書いた人

Agatha
職業欄には「webライター」と書くような仕事をしております。
趣味は読書。主に短編推理小説を読んでいます。

個人的にはもっと短編推理小説が増えろと願うのですが、本格と長編が基本の世の中では同意してくれる人は少ないようです。仕方がないのでテレビドラマの「相棒」と古本屋で見つけた短編集で欲望を満足させているような日々と言った所。
icon-quote-left 出典:動画タイトル – youtube  icon-quote-right

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