型破りな展開!?【ひんしの探偵】:コナン・ドイル

シャーロックホームズシリーズというのは「探偵の元に困った依頼人が駆け込んでくる」という今の推理小説の一つの基本を作った作品ですが、そういった形式から外れた作品というのも結構多く、その中でもかなりの代わり種なのがこの「瀕死の探偵」です。

あらすじ

伝記作家で医師のジョン・H・ワトスンが結婚し、私立諮問探偵のシャーロック・ホームズとの共同生活を解消してから2年後。ベーカー街221Bの家主であるハドスン夫人がワトスンの家を訪ねてきた。ホームズが病にかかり、瀕死状態なのだという。
ワトスンはすぐにベーカー街へ向かう。ベッドに横たわるホームズはやせ衰え、手は痙攣し、目や頬の状態からすると熱もあるらしい。ワトスンがベッドに近寄ると、ホームズに制止される。病は船乗りから感染したスマトラ島のクーリー(苦力)病(熱帯性潰瘍。実在する病気)で、接触感染するという。ワトスンは構わず診察しようとするが、ホームズはワトスンの腕前が信用できないと拒絶する。さらにホームズは、熱帯病に詳しい医師を連れて来るというワトスンの提案も受け入れず、後で自分が指定する人物を呼んでくるようにと言い張る。その言動は普段のホームズとかけ離れていて、ワトスンが室内にあった象牙の小箱を手に取っただけで絶叫し、自分の持ち物に触るなと逆上して罵るほどである。ワトスンは病でホームズの精神状態がおかしくなっているのだと考え、止むを得ず従うことにする。

主人公が瀕死な状態から始まるストーリー

この事件は、色々と形式から外れています。まず最初に注目されるのが冒頭でハドソン婦人について書かれることでしょう。
パスティーシュ(パロディ)作品や映像化された作品では重要人物を担なう事が多い彼女ですが、原作ではほとんど触れられることがありません。
その中で一番詳しく説明が書かれるのが瀕死の探偵の冒頭です。

そんなハドソン婦人がワトソンに「ホームズが死にかけている」と訴える所から物語は始まります。

珍しい構成からコナン・ドイルの技巧を楽しむ

結末自体は「お約束」の一種だろう、と個人的には思いますがホームズのうわ言は中々面白い物があります。

曰く「非伝導体に電気を流し込むときの気持ち」だの「牡蠣はあれだけ生殖能力が高いのに海底を埋め尽くさないのはなぜか」だのと言った言葉が次々とホームズの口から出てきます。
これについてはどうやら読む人はみな同じような感想を持つようで、Google検索の関連キーワードに「牡蠣」という言葉が出ています。

このようにストーリー自体はありがちともお約束ともいえる物ですが、構成の面白さには珍しい物が有りますし、それによって他にはない物語となっているので、作者の技巧を楽しめるのでおすすめな作品です。

知らせを受けてかけつけたワトソンが目にしたのは、病気におかされ死にそうなホームズだった! おそろしい病気にひそむ謎とは?
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この記事を書いた人

Agatha
職業欄には「webライター」と書くような仕事をしております。
趣味は読書。主に短編推理小説を読んでいます。

個人的にはもっと短編推理小説が増えろと願うのですが、本格と長編が基本の世の中では同意してくれる人は少ないようです。仕方がないのでテレビドラマの「相棒」と古本屋で見つけた短編集で欲望を満足させているような日々と言った所。

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