心理トリックとして文句なしの名作!!「盗まれた手紙」:エドガー・アラン・ポー

賛否両論の「モルグ街の殺人」にミステリーではない?と言われる「マリーロジェの謎」と評価が分かれる前二作に比べて「文句なしの傑作」と言う評価を得ているのがポオ三部作最後の作品「盗まれた手紙」です。

あらすじ

風が強いある日、警視総監が再び二人の前に現れると言う所から物語は始まります。
警視総監は「とある高貴な方の名誉が傷つく手紙が大臣Dによって盗み出されたのでそれを取り返して欲しい」と頼まれ、諸々の条件からDの邸宅に手紙があるであろうと推論し、徹底的な探索を行いますが出てこない。
そこで困ってデュパンに助言を依頼すると言う物です。

書評

警視総監は徹底的なまでに部屋の隅々を調べますが見つからないのですが、そこでDは「自明すぎて分からないだけだ」と言う理屈で手紙をみつけます。
このトリックはシンプルながら今でも十分通用する物であり、そこに対するデュパンの推理も百年立っても未だに色あせないものです。

そのため世間的には奇抜なトリックを使ったモルグ街の殺人の方が有名ではあるのですが、ミステリーファンからの評価としては盗まれた手紙の方が高く、現代的な推理小説がここで完成したとも言えます。

個人的にすごいと思う所は、推理小説としての基本のすべてが詰まっているのに、三部作中でもっとも短いと言う所です。
なのに他と謙遜が無い、むしろ三部作で一番の名作と言えるこの作品はミステリーを始めて読むと言う人にとっても十分楽しめると思うので、絶対に一度は読んでみる事をおすすめします。

人の盲点をついた鮮やかなトリックで、デュパンが登場する三作の中では、最も評価の高い作品。
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この記事を書いた人

Agatha
職業欄には「webライター」と書くような仕事をしております。
趣味は読書。主に短編推理小説を読んでいます。

個人的にはもっと短編推理小説が増えろと願うのですが、本格と長編が基本の世の中では同意してくれる人は少ないようです。仕方がないのでテレビドラマの「相棒」と古本屋で見つけた短編集で欲望を満足させているような日々と言った所。

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